イギリスコメディでは Only Fools And Horses が一番! と前にベタ褒めしましたが。僅差で2位の、いや、同率1位かも?な、こちらも超お薦めなイギリスコメディをご紹介。
えーっ、堅いじゃん。
イギリス政治なんて分かんないし、
政治風刺なんかで笑えない・・・ムリ
と思うことなかれ。
わたしも
「さくら、これ絶対気に入るって!」
と邪鬼に勝手に DVD のボックスセットを買われたときにはそう思った。
(そして「自分が欲しいだけなのにひとのせいにして無駄遣いしないで」とバトルになった)
自慢じゃないけど、日本の政治すら分からないのに、イギリス政治で笑えるもんか。
政治英語も拾えないだろうし。
…なのに、これが面白い!!!
当時 Tory と Labour くらいしか知らなかったわたしでも、ニヤリから爆笑まで、幅広く笑わせてもらいました。
舞台を変更して目先を変えられる自由度の高い Only Fools And Horses とは違って、場所は退屈な執務室がほとんどだし登場人物も3人だけということが多い。なのになんでこんなに笑えるんだ???ウィット満載で脚本家に感服です。1980年代前半の作品なんだけど、30年も前のものとはとても思えない。普遍的なユーモアで、現代に通じる面白さ!
主要登場人物は3人。
行政大臣ジム・ハッカー (Jim Hacker) と事務次官のハンフリー・アップルビー卿 (Sir Humphrey Appleby)、そしてふたりの間に挟まれる立場の、ジムの第一個人秘書官バーナード・ウーリー (Bernard Woolley)。
大臣としての使命感に燃え/国民の人気取りのため、あれこれ行政改革を推し進めようとするジムと、官僚組織の保身のため改革を好しとしないサー・ハンフリー。そしてバーナードはジムの第一個人秘書ということでジムの部下であると同時に国家公務員でもあり、サー・ハンフリーの部下にもあたるため立場的には微妙なところに立たされている。
この 『政治家 vs 官僚』 の、ジムとサー・ハンフリーの攻防と、少しKY?なバーナードが横から入れる茶々が見もの!
狡猾で弁が立つサー・ハンフリーにいいように手玉に取られる、一般人的で単純な、笑うと八重歯のかわいいお茶目なジム。オックスフォード大学出のこのふたりの官僚に「まったく、これだからLSEは…」と見下されながらも頑張るけなげな姿に、同情票一票。
バーナードも、間に立たされての困った垂れ目顔がいい。何やかや言いながらも難しい立場をうまく乗り切る、インテリなオタク君。
でもね、Yes Minister の星はなんといってもサー・ハンフリー。
悪(イジメ)役なのに、この人気度の高さは何だろうね。
英語学習者としては、ハンフリーの機知に富んだ会話、英語表現の幅の広さは、
まさに 究極の憧れ
彼の雄弁すぎる長広舌、慣れるまでは字幕がないとつらいけど。
大ヒットしたこのシリーズ、ジムが首相にまで上り詰めてしまった設定の Yes, Prime Minister まで続編として出る人気ぶり。当時首相であった故マーガレット・サッチャーのお気に入りの番組であったことでも有名です。
政治全然分からなくても、爆笑できます。
というか逆に、笑い転げながら学べて為になることも。
例えば以下、イギリスの各新聞紙について:
*** 1分経過頃から ***
Hacker: Don’t tell me about the press. I know exactly who reads the papers: the Daily Mirror is read by people who think they run the country; The Guardian is read by people who think they ought to run the country; The Times is read by people who actually do run the country; the Daily Mail is read by the wives of the people who run the country; the Financial Times is read by people who own the country; The Morning Star is read by people who think the country ought to be run by another country; and The Daily Telegraph is read by people who think it is.
(ジム: プレスだって?どんな人間がどの新聞を読んでいるかだってしっかり把握してるさ: デイリー・ミラーは自分たちが国を動かしていると思っている奴らが、ガーディアンは自分たちが国を動かすべきだと考えている奴らが、タイムズは実際に国を動かしている奴らが、デイリー・メールは国を動かしている奴らの奥様連中が、ファイナンシャル・タイムズは国を乗っ取った奴らが、モーニング・スターは他国にこの国を委ねるべきだと考えている奴らが、そしてデイリー・テレグラフはすでにそうなっていると考えている奴らが読んでいるのさ)Sir Humphrey: Prime Minister, what about the people who read The Sun?
(ハンフリー: して、首相、ザ・サン紙の読者層は?)Bernard: Sun readers don’t care who runs the country, as long as she’s got big tits.
(バーナード: サンを読む人間は、(紙面の女性が)デカパ○でさえあれば誰が国を動かそうが構いやしません)“Yes, Prime Minister” 英文引用元: Wiki
Yes Minister も続編の Yes, Prime Minister も、
最っっっ高!!!
ぜひ、ぜひ、この2作でイギリスユーモアを満喫してください☆
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